Do the Rwanda!
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ルワンダでの先生日記

「当たり前」が当たり前じゃなくなるとき、世界が少し広がる気がした。

ムラーホ!(こんにちは)
JICA海外協力隊としてアフリカのルワンダでろう学校の先生をしている、津田ナツキ(@ntktd3713)です。

 

最近は日本食を食べたい衝動に駆られる日々です。

基本的に豆、芋、米、バナナを食べているルワンダ人。自分も基本は自炊で、ルワンダ人と同じような食事をしています。

今食べたいのは、かつ丼、牛丼、焼き魚、煮魚・・・

日本以外に在住する日本人なら、一度は経験する欲望でしょうか?

 

 

今回は2学期の終業式の出来事について書いていきます。

私の学校の終業式

 

3学期制のルワンダでは、5月から7月中旬までは2学期です。

1週間の学期末テストも終わり、終業式の日がやってきました。

私の学校は全寮制ですので、生徒たちは学校を隅々まで掃除し、身支度を整え、長期休みになると久しぶりに自宅に戻ります。

 

終業式の日には、生徒の両親や家族が迎えに来ます。そこで学費の支払いや学校での成績や態度について伝えられます。

 

 

1学期終業式で思い出すこと

 

それはちょうど今年の4月。

ルワンダの1学期は1月初旬から3月までです。ちょうど任地に派遣されて一か月が経つときに、1学期の終業式を迎えました。

 

ずっと寮で生活をしている生徒たち。

両親や家族の迎えをきっと楽しみにしているんだろうな。

そう思い込んでいました。

 

なぜなら、家族は仲がいい、何でも話せる

と、自分が思い込んでいたからでした。

 

家族が迎えにくると・・・

 

外に椅子を置いて、家族の迎えを待つ生徒たち。

生徒の母親、父親、おじいちゃん、お兄ちゃん等、続々と集まってきました。

 

 

その中には、私が想像していた何かがありませんでした。

 

 

それは何でしょう?

 

 

そこには生徒の笑顔と親子間のコミュニケーションがなかったのです。

 

 

生徒は家族と話せない?

 

津田「パパ、ママは手話できる?」

 

生徒「ううん、できないよ。家族みんな手話ができない。」

 

 

 

津田「家で何しているの?」

 

生徒「畑の手伝いや家事をしてる!すごく疲れるよ。」

 

 

生徒に聞くところ、家族と手話でコミュニケーションを取れる生徒は約1割

その1割は、生徒が難聴(大きな声ではっきり話せば聞こえるレベル)であったり、親もろう者、その他には生徒自身が親に手話を教えたという強者までいました。

 

他9割は家族と話せない。

 

1学期の長期休みが終わって学校に来た生徒たちは、明るい表情で、学校を楽しみにしていたように見えました。

 

 

この学校内でしか、生徒たちはコミュニケーションができないんだ。

 

 

そりゃ、家族とコミュニケーションを取れなければ、笑顔になるはずありませんよね。

 

私の中の「当たり前」

 

家族はみんなコミュニケーションが取れることが当たり前だと思っていました。

自分の家族なのに、なんで手話を勉強しようとしないのか

理由が分かりませんし、何故か少し苛立ったのを覚えています。

 

 

その後、どうして家族が手話を学ばないのか、理由を考えてみました。

・家事、仕事があるため、手話理解まで及ばない

・子どもが多いため、手話理解まで及ばない(子どもが5人以上なんて普通)

・手話理解や障害理解が進んでいない

 

発展途上国では、これが「当たり前」なのかもしれない。

私の「当たり前」の感覚が、当たり前じゃないんだ、そう感じた時。

少しだけ自分の世界が広がったような気がしました。

 

 

ちなみに日本の特別支援学級では、保護者向けの授業も設けてあるところも。

手話ができる保護者が多いと思います。

 

私の中の「当たり前」を考えてみる

 

ルワンダに来てから、自分の中の「当たり前」が当たり前ではないという壁に多くぶち当たります。

 

・当たり前のように、水道がでること

断水ばかりです。雨水生活や、ジェリカンという水タンクに水をためて使います。

 

・当たり前のように、電気がつくこと

停電もしょっちゅうです。モバイルバッテリーは必須です。

 

・当たり前のように、その国の言語が一つであること

日本のように日本語しか使わない国は、アフリカにはほぼありません。

ルワンダはキニアルワンダ語、英語、フランス語、スワヒリ語を話します。

その国だけで40以上の現地語がある国も。

 

・当たり前のように、お肉がパックに売られていること

お肉はパックに入っていません。農村部では屠殺することもしばしば。

 

・当たり前のように、バスが時間通りに来ること

バスに時刻表はありません。人が集まったら発車するアフリカスタイルです。

 

こうして考えていると、数えきれないほどの「当たり前」が当たり前じゃないことがあります。

 

自分が「当たり前」と思い込んでいることは、自分で勝手に決めつけた枠の中から出ようとしないことなのではないか、と思います。

これは国が違うだけでなく、人の考えも同じです。

人種が違うだけじゃなくて、同じ国でも、同じ地域に住んでいても、隣にいても、家族でも、、自分と他人は違う。自分と家族も違う。同じでも、違ってても、それでいい。

 

日本から遠いこのルワンダに来て、初めて気づくことができました。

 

 

自分の「当たり前」を押し付けない。

自分の「普通」は普通じゃない。

普通の人なんて、だれもいない。

そう思えるようになりました。

 

 

 

 

2学期の終業式に行った、保護者向け手話講座

 

今回終業式では、保護者や家族に手話を知ってもらうために、保護者向けに簡単な手話の講座を実施しました。

 

「家に帰って、パパとママと話せないなんて寂しいよ、だからこの講座をやりたい!」

と校長や同僚に話すと、共感してくれ、講座進行も協力してくれました。

 

 

家族には講座内で、挨拶やイエス・ノー、主語といった簡単な手話を実際に使いながら学んでもらい、紙ベースの手話のブックレットのコピーも配布。これは家に帰ってからも学べるように。

 

この講座実施で一番嬉しかったのは、生徒たちがホッとした顔をしていたことでした。

「この手話のブックレットのコピーで、私がパパとママに手話を教えるんだ!」

と意気込んでいる生徒も。

 

 

 

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2学期終業式に、保護者向けの手話講座を開催! 生徒たちは長期休暇で自宅に戻りますが、家族とコミュニケーションを取れる生徒は約1割。 家族とコミュニケーションできないなんて、寂しい。 そこで、保護者向けに簡単な手話の講座を実施。 保護者の反応も良かったし、何より生徒のホッとした顔が見れたのが一番の収穫☺️ 家に帰ってから少しでも手話で話せていますように🙏 前任が実施していたこの講座。ボランティアがいなくなってから開催されていなかったみたい。どうやって今後継続していくかも考えていかないと!課題は沢山! We held sign language lesson to parents before long vacation. When our school students go their home, they can’t communicate their family. Because their family don’t know sign language. So we held sign language lesson to their parents today. As a result, the reaction of the parents was good, and the students looked relieved. The goal is to continue this lesson. #ちょっと真面目な話してみました #deaf #signlanguage #手話 #rwanda #africa #jocv #青年海外協力隊 #fairchildrenyouthfoundation

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私の中の「当たり前」の壁を乗り越えるためには

 

私の中にはたくさんの「当たり前」と決めつけていることが分かった今回の出来事。

それでは、なぜ自分の中の「当たり前」が生まれるのでしょうか?

 

 

 

それは、「知らない」ことが原因だと私は考えます。

 

 

知らないから、自分の中で当たり前が生まれる。

知ろうとしないから、自分の当たり前を相手に押し付けてしまう。

他の世界を、他人のことを知る姿勢がないから、こうして当たり前、これ以外は当たり前じゃない、と思い込んでしまう。

 

 

こう考えると、何歳になっても知ろうとすること、勉強することは大切だということに気付かされますね。

たっぷりと水を吸うスポンジのように、これからたくさんのもの、ことを吸収していきたいと思った出来事でした。(吸った水をこぼさないように、気を付けないと)

 

 

 

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

 

 

 

ABOUT ME
津田ナツキ
世界の貧困をこの目で確かめる、ことを目的に青年海外協力隊としてルワンダで草の根活動中。ろう学校で教師として英語、情操教育を指導しながら、校内カフェレストランの立ち上げ、障がいに優しい街づくりを実践中。